あるデータを見ると外食産業の2022年7月度売上はファーストフード業態は19年度対比でも21年度対比でもプラス伸長。
しかし、居酒屋やレストラン業態は21年度対比はプラス伸長ですが19年度対比では「焼肉」業態など一部を除いて50~80%と回復には至っていないということです。
これは業態全体の平均値なので、実際には回復の実態はバラつきがあると思います。
ビジネス街や観光地など立地による要因、「リモートワークの増加」「会社の飲み会禁止」「外食自粛が長く続き習慣が無くなった・外食自体が億劫になった」など行動や心理的な変化で客数が平均以上に戻らない店舗もあるでしょう。
2019年に開業したお店だと、軌道に乗り始めた頃に新型コロナによる影響を受けてしまったということもあります。
「これから!」というときに長期間に渡って水を差されたわけですから、その心境は察するに余りあります。
でも平均以上に回復しているお店もあるはずです。
住宅街を背景に持つ街の駅前の店舗かもしれません。テイクアウトやランチがうまくいった店舗かもしれません。
でも根本的な要因は違うよな気がします。
私の経験や見聞きしたことを振り返ると、2020年以降、休店をしない限りはお客様が来店され、むしろ客数が増えたという店舗もありました。
特別なことはしていないけれど、それらのお店には常連のお客様がいらっしゃった。その常連さんは誰かを連れてきた。
そんなお店でした。
結局、店舗運営の基本である美味しい商品と良いサービス、清潔感のある店舗を愚直にやっていたお店でした。
明確なことは常連(リピート)のお客様を創る。何度も利用してもらう。という視点で具体的に取り組んでいたことです。
人は飲食店を選ぶときに失敗したくはないものです。信頼している店長から新商品を提案される方がチャレンジしやすい。
特に客単価の高い店はその傾向が強くなります。
起点は美味しい商品
●スタッフが自信をもってお客様に特に〇〇が美味しいと言える(単に●●産です。のように漠然としていない)
●お客様が他の人にこのお店のこんなところが良い。または〇〇はこうだから美味しいと具体的にコメントが言いやすい。(看板メニュー・雰囲気・コスパ)
常連と認知していることが伝わるサービス
●名前や好きな食材やお酒を覚えている。その入荷を教えてくれる。
●お客様の得になること、または損にならないように教えてくれる。
●シチュエーションに応じてお勧めを提案できる。
タイミングよく情報発信ができる
●旬の素材や新商品を定期的にSNSや店頭で教えてくれる。
●そのお勧め商品に合うお酒やドリンクを教えてくれる。または好みのお酒やドリンクに合う料理をお勧めしてくれる。
常連客が連れてくる新規のお客様が次の常連になる。
このお店は「私の行きつけのお店」「誰かに紹介してあげたいお店」「誰かを連れていくならこのお店」
こんなサイクルをつくりたい。そんな視点でお店づくりをしてみることが重要ではないかと思います。