多店舗化で起きる〈店舗運営レベルの格差を無くすために〉

店舗数が増えるとともに店舗運営レベルに格差が生まれます。

前述した通り、飲食店業は事業規模≒店舗数(拠点数)の要素が強い業界です。

出店エリアと店舗数を拡大するごとに、人と店舗管理に関して様々な問題が起きます。

経営者自身だけでマネジメントできなくなった店舗規模になってからでは大きなパワーと時間が必要となります。

1店目はオーナーが自ら店舗をマネジメントし、オーナーの薫陶を受けたスタッフが高い運営レベルを保つことが多いと思います。

2店目はどうでしょうか?やはりオーナーが細かく指示し、可能であれば1店目の熟練スタッフを配置して高い運営レベルを維持するかもしれません。

そして3店目、4店目の出店機会が出来たときも同じようにできるでしょうか?

おそらくオーナーの関わる密度は薄れてくると考えられます。

新規出店のスピードが上がるほど社員の質が追い付かなくなってくるでしょう。多くのオーナーは、ここで中途採用の社員雇用をどんどんと進めていきますが、オーナーの考えも理解しないまま店舗に配置されていきます。そして、経験を買って中途採用しても、実際に店舗勤務をしてもらうとスキル不足が判明することもあります。

多店舗化をしていく過程で、様々な職歴、経験と習得しているスキルに格差を持った人たちが、様々なタイミングで集まり、店舗間で運営レベルに格差が生まれ、業績にも影響が出ることが多くなります。

店舗運営の標準化とその基準を守るための教育研修が必要となります。

やはり、オーナーの考え方や事業としての理念、価値観を共有していく仕組みと店舗コンセプトの明確化、店舗マネジメント業務の標準化が必要です。

店舗運営に係る軸が無いまま店舗を任せると、いつの間にかオーナーの意図しない商品やサービスが提供されているということも起きてしまいます。

人事評価と整合する。

そして、人事評価制度も重要です。あの人と自分の給料の差は何か?職位の差は何か?が出来るだけ明確になっていないと不満だけが生まれ、個々の成長につながりません。

もう一つ人事評価で大事なことは、会社としてどんな人間となってほしいか、どんな行動をしてほしいかを明確にしておくことです。

ポイントは雇用契約書には表現されていない企業文化や価値観です。

業績だけでなくスキルや行動を評価に加えるならば、それらを習得するための教育訓練の機会を提供することも必要です。

飲食店業は店舗間で従業員同士がコミュニケーションをとることが難しいのが現実です。

働く人にとって相談相手がいなかったり、刺激し合える仲間がいないことは不幸なこと。

上位者には相談できない悩みを1人で抱えて突然退職ということも起きることになります。

メールがあります。いや、今はZoomという便利なものもあります。という人もいますが、忙しい店舗業務の合間を縫ってわざわざやることは長続きしません。

やはり定期的に顔を合わせる機会、例えば営業会議で互いの業績を知ったり、成功した要因のナレッジを共有したりすることが社員の成長と企業のノウハウの蓄積につながり、結果として効率よく成長していくことにつながるのではないかと思います。そうして仲間意識が出来れば個々に様々な手段で相談したり悩みを話したりするようになると思います。

当社は人材教育の仕組みづくり、研修開催、人事評価制度の構築などにノウハウがあります。また、店長会議の開催を通じて実践的な教育も行っています。店舗が増えてもできるだけ運営レベル格差を無くし、イキイキとしたスタッフづくりをサポートいたします。

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次回は3つ目の壁(店舗内の距離)です。

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